ネパールの洪水(9月)
1.発生日
2005年9月24日(火)〜10月5日(水)
2.災害発生経緯および被災状況
ネパール西部において豪雨による洪水が発生した。Dartmouth大学やAFPによれば死者数は51人に上る1)、2)。本洪水に関する情報は極めて少なく、得られる情報は国連人道問題調整事務所のSituation Report3)にほぼ網羅されているため、以下にその情報を示す。
なお、死者数について上記と異なる数値が示されている理由として、情報取得時期や支援対象計数方法の差異などがあると思われる。
Situation
1. 9月24日から3日間の豪雨により洪水や地すべりが発生し、ネーパール・インド国境に近いネパール西部で被害が発生した(図−1)。
2. マヘンドラナガルのカンチャンプル地区(カトマンズの西640km)
Mahakali川がモンスーンの降雨により増水したため、堤防が決壊し、インドとの国境に近い町の一部を浸水させた。王立ネパール陸軍、地域行政事務所(DAO)およびネパール赤十字社(NRCS)が救援作業を行っている。DAOおよびNRCSによれば、134世帯が避難を余儀なくされ、近くの学校に避難所を求めた。200戸が完全に破壊され、43戸が半壊した。DAOは被害家庭に食料を配布した。NRCSは25世帯の被災者に非食料支援品を給付すると共に、被害状況を調査中である。
3. ダンデルドゥラ(カトマンズの西700km)
地区警察によれば、9月26日、Shirsha川が氾濫し、ダンデルドゥラ村を浸水させた。27日NRCSは被災地に到着し、救援活動を開始した。NRCSによれば、少なくとも15人が死亡し、Jogbudhaの村落開発委員会の20世帯およびBagarkotの村落開発委員会の6世帯が避難を余儀なくされた。NRCSは被災家庭に対し非食料支援品を配布した。
図−14)に被災地および被災の概略を示す。
図−1 被災地および被災の概略4)
3.気象状況
降雨量等に関する具体的な情報は得られていない。
図―2はTRMMによる累積降雨量(9月23日〜27日)である。
*:図中緑の線は流域界
図―2はTRMMによる累積降雨量(9月23日〜27日)
同図によれば、被災地周辺に多雨量帯が見られる。
引用資料
1) http://www.dartmouth.edu/%7Efloods/Archives/2005sum.htm
2) http://www.reliefweb.int/rw/RWB.NSF/db900SID/ACIO-6GNKAL?OpenDocument&rc=3&cc=npl